エル・デコ掲載のBENTOハウスがなかなかよさげな件

家づくりについて。

雑誌エルデコに掲載されているBENTO HOUSEが、コスパが高くでいい感じだなと思いました。

有名建築家の谷尻誠が設計した家でありながら、本体価格が1800万円というお手頃な価格!

なぜその価格で済むのか、素人目ながら検証してみたいと思います。

谷尻誠とは!?

そもそも、この家を設計した谷尻誠 とはどういった人か?

一言でいうなら、サポーズデザインオフィスを主催する、日本でもっとも有名な建築家の一人です。

詳しくはこちらを。

http://ibought.jp/people/15663

基本スペック

まずは、エルデコに掲載されている基本スペックから。

延床面積 81.16m2(24.55坪)

1F 40.58㎡(12.27坪)

2F 40.58㎡(12.27坪)

本体価格 1800万円

MATERIALS

外部仕上げ

外壁 ガルバリウム鋼板

内部仕上げ

通り土間 モルタル刷毛仕上げ

LDK

床 塩ビタイル貼り

壁・天井 ラワン合板+塗装

INSTRUMENTS

玄関ドア・窓 YKK AP

キッチン製作 ウッドワン

エクステリア

bentohouse

出展:BENTO HOUSE/公式 – bento-house.com‎

家は余分な壁などのない、豆腐型の四角い家が最も安く済みます。

このベントハウスも、四角い箱型に切妻屋根を乗せただけのいたってシンプルな形状。

そして、外壁も屋根も、同じガルバリウム鋼板を使っているようで、ここまでは、よく見かけるローコスト住宅と同様のパターンです。

しかし、この家は、黒い格子状の窓を各所に配置して、見た目のアクセントにしています。

窓の使い方ひとつで家の印象はガラっと変わるものなんですね。

というよりは、家づくりのおいて、窓の形状や配置というのがすごく大事なんだなと思います。

ただ機能のみを考えて、窓や換気口を配置したのでは、家の外観に統一感がありません。

間取り

plan_room_01

出展:BENTO HOUSE/公式 – bento-house.com‎

そもそも延床面積24.55坪というのは、けっして広くありません。

かなり小ぶりな部類だと思います。

玄関収納や物置部屋といった贅沢な部屋はありませんが、2Fに個室が3部屋あり、夫婦+子供2人の標準的な家庭では、各自1部屋は確保されています。

ただし、2Fの延床面積が12坪ですから、1部屋あたり3坪くらいではないでしょうか。

どの部屋も決して広くはないので、断捨離を進め、うまく収納していかないと、家がものであふれてしまうことになると思います。

室内

壁はラワン合板剥き出しで、壁紙もペンキ塗装もしないことでコストを下げてますね。

床は無垢材、ましてや合板すら使わず、塩ビタイル張りという思い切りぶりです。

コストダウンだきるところは徹底的に削っている印象です。

ちなみに塩ビタイル張り とは、賃貸住宅のフローリングでよく見かけるもので、

ゴムのような質感の床材に、フローリングの木目をプリントしたものです。

パッと見には、無垢材にしか見えません。

リビング

1Fの床面積が40.58㎡で、土間が11.5㎡ということは、LDKが約29㎡、つまり約8坪ほどになります。

しかし、隣の土間とつながっていますから、実際には10坪以上の解放感があるのではないでしょうか。

それでもけっして広いとはいえませんが、その分天井高が3.8mもの高さを誇ります。

通常の家の天井高が2.4mですから、通常の1.5倍分の高さがあります。

天井が高いというのは思った以上の解放感があります。

我が家は畳2畳分程度の吹き抜けがありますが、その畳2畳分のスペースだけでも圧倒的な解放感があります。

これは実際に体感してみないとわからないところで、言葉だけでは説明し尽くせないですが、高い天井高は、実際の広さ以上に、空間を広く感じさせてくれることだけは確かです。

玄関

土間はあっても、玄関というのはないですね。リビングと玄関が仕切られていないため、外の冷気・暖気がダイレクトにリビングに入ってきてしまいます。

とはいえ、土間部分が広いのはうれしいですね。ベビーカーを置いておけるし、雨のときは自転おいておくこともできそうです。

エルデコHPなどでは、コットを置いてましたが、実際には家族全員分の靴をそろえると結構な量になりますから、靴箱かなにかを設置したり、玄関収納代わりにものを置いたりすると、とてもコットを置いて昼寝なんてスペースはないように感じます。

しかし、どうせなら靴箱を置くよりは、キッチンのようなフレームと棚板だけの見せる収納にしたほうがスッキリとし、空間を広く見せれると思います。

また、見せる収納にすることで、中途半端なものはおかずに、厳選したいい物のみを揃え、結果断捨離にもつながるという、良い効果も生まれるかもしれません。

キッチン

そして注目がキッチンです。

bentohouse_kitchen

出展:BENTO HOUSE/公式 – bento-house.com‎

キッチンメーカーの既製品ではなく、オリジナル商品のようですが、キッチンパネルも引き出しも設けず、リビングの棚のような、天板とフレームのみの、必要最低限の形状にすることでコストダウンを図っています。

コストダウンを図りつつも、デザインは手抜きされたという印象はなく、公式HPによれば、収納棚にはオーク材を使用しているとのことで、オークの棚板ブラックの鉄足の組み合わせがなんとも、かっこいいですね。

収納棚は付属してなくとも、自分で好みの棚を見つけてきて使うことで、如何ようにもオシャレに作りこむことができ、下手なシステムキッチンよりも、よほどオシャレなキッチンが出来上がると思います。

すべては住む人のセンス次第です。

照明

シーリングライト前提ではなく、ペンダントライトやブラケットなどを用いているのは高評価です。

ペンダントライトがオプションなのはまぁ当然としても(エルデコでは、フェール トラヴァイユというショップのペンダントライトを使用しているようです)、ブラケットは標準装備かなと思ってしまうところですが、

公式HPとエルデコのwebサイトでは、用いられているブラケットの形状が違います。

公式HPリビング出展:BENTO HOUSE/公式 – bento-house.com‎

エルデコリビング

出展:ELLE DECOR

オプション品の可能性大ですね。エルデコwebサイトのリビングの備品の一覧にはペンダントライトは記載があっても、ブラケットの記載はなかったのですが。

ここはよく確認したほうがよさそうです。

2F個室

2F個室

出展:BENTO HOUSE/公式 – bento-house.com‎

画面左上に作り付けのクローゼットらしきものが見えますね。

オプションではなく標準装備だとうれしいことろです。

まとめ

家族4人で住むには、少々手狭に感じますが、家族3人ならばありじゃないでしょうか。

2Fの3つある個室のうちの1つを物置部屋に使えば、収納スペースが狭いという問題はなんとか解決すると思います。

都心の方はともかくとして、地方に住む4人家族の方でしたら、何も24.55坪の広さにまでコンパクトにせずとも、30坪前後の家を2000万前後で建築家に建ててもらうことはできると思います。

このBENTO HOUSEが24.55坪の広さで1800万ですから、これを単純に30坪にすると、価格は正比例して2200万円になるかというと、そんなことはありえません。

例え20坪の家だろうが、40坪の家だろうが、キチンや風呂、トイレなどの生活に必要な設備に違いはありません。

ランクの差こそあれ。

そういうわけで、家をコンパクトに作りこむほど、坪単価は割高になります。

ですので、似たような間取りの家だったら、30坪前後で2000万円くらいというのも全然いけると思います。

ハウスメーカーの家と比べると

家の上物に掛かるコストで最も高いのは、システムキッチンやユニットバス、洗面台セット、トイレ、玄関ドア、窓、インターホンなどの住宅設備です。

ハウスメーカーが、住宅展示場や多くの社員を抱えながらあの値段で済んでいるのは、スケールメリットを生かして、住宅設備の備品を安く買い上げているからです。

例えばA社のキッチンなら、年間1万台買っているから定価の50%でいけますが、

B社のキッチンだと、年間1000台しか買っていないので定価の10%しかできません。

という具合になるのです。

ハウスメーカーの家というのは、極端な話、各社工夫を凝らした、地震に強い骨組みの箱に、これらの設備を組み合わせて、組み立てるだけともいえます。

ハウスメーカーでの家づくりでオリジナリティをだそうとすると、高いオプション品を選択することになりますが、そのようなオプション品は、ハウスメーカーのスケールメリットを生かせないため、割高になる傾向があります。

ですので、あまり拘りもなく、ベーシックなプランでいいというのであれば、ハウスメーカーの家でもそれなりにコスパがあると思います。スケールメリットを生かした備品が多いからです。

対していろいろと拘りがあり、オプションをたくさんつけたいというのであれば、ハウスメーカーでの家づくりは割高になります。

ローコストで、おしゃれな家がほしいというのであれば、このBENTO HOUSEのような、建築家がデザインした規格住宅といういのは、ありな選択肢だと思います。

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